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ネコヤナギ
・年齢:198X年生まれ
・在住:関西
・家族:妻と子供2人
・趣味:日記を書く
・特技:整理整頓、片付け、掃除
・嫌い:やらされ仕事、納得できない仕事
・仕事:現在、適応障害で会社を休職中
・性格:まじめこつこつ型、こだわり強い
「まじめこつこつ型」の人にとって役立つ記事を、まじめにコツコツ発信します!

HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと

HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育む3原則/20の大切なこと
ネコヤナギ

こんにちは!
家族全員がHSP(=ひといちばい敏感な人)な、ネコヤナギと申します!

なやみライオン

うちの子は、すごく繊細傷つきやすいし、痛がり怖がり
外では「いい子」だけど、家では癇癪を起こす内弁慶。
なかなか育てるのが難しいんだけど、どう育てるのがベスト

ネコヤナギ

お子さんは、HSC(=ひといちばい敏感な子)かもしれないですね!

お子さんに対して、次のように感じたことはありませんか?

  • カミナリや花火などの大きな音をすごく怖がる
  • 少しのスリ傷をすごく痛がる
  • 軽く注意しただけで泣く
  • 勝負事で負けるとすごく落ち込む
  • 学校や保育園では「いい子」だけど、家ではかんしゃくを起こす内弁慶
  • 公園に連れて行っても、他の子を観察してばかりで遊ばない
  • 親しい人の前ではおしゃべりだけど、親しくない人の前では無口になる

そんなお子さんは、もしかしたら「HSC=Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)」かもしれませんね。

私の家族は、私と妻は「HSP=Highly Sensitive Person(ひといちばい敏感な人)」、2人の娘は「HSC」です。

この記事は、「ひといちばい敏感な子(HSC)」の子育て関連本14冊を熟読し、実際にHSCを育てている私が、

この記事は、このような人に向けて書いています
  • HSCの育て方に難しさを感じている
  • HSCとうまく向き合えているか不安がある、接し方に迷いがある
  • HSCが幸せに生きるための育て方を知りたい
  • HSCに「自己肯定感」高く生きてほしいと願っている

に向けて、「HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと」をご紹介します。

HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと
わが子への願い

私は、2人の娘に次のように生きてほしいという願いをかなえるために、自戒も込めて、この記事を書きました。

  • 他人に流されず、自分の意思で、自分らしく生きてほしい
  • 自分を好きで、自信を持って生きてほしい
  • 自分は生まれてきて、価値ある存在だと感じて生きてほしい
  • 自分の才能をどこまでも最大限に伸ばしてほしい
  • 萎縮することなく、人生を楽しんで生きてほしい

この記事を読むことで、

  • HSCとうまく向き合うことができます
  • HSCの自己肯定感を育むとともに、子育てを通して親自身の自己肯定感も高まります
  • HSCが幸せに生きられれば、家族みんなが幸せになれます

ぜひ最後まで読んでいただければうれしいです。

この記事を書いている人
ネコヤナギ

・年齢:198X年生まれ
・在住:関西
・家族:妻と子供2人
・仕事:事務職【現在、適応障害で会社を休職中
・性格:まじめコツコツ型、こだわり強い、HSP度【中】
「まじめこつこつ型」の人の役に立ちたくて、ブログを書いています!

目次

HSC(ひといちばい敏感な子)とは

HSC(ひといちばい敏感な子)とは

HSC(Highly Sensitive Child)」とは「ひといちばい敏感」という「性質」を持った子どもです。

生まれ持った「性質」ですので、親の育て方や環境で作られるものでも、障がいや病気でもありません

HSCは、大人になっても性質は基本的に変わらず、そのまま「HSP(Highly Sensitive Person(ひといちばい敏感な人))」となります。

HSCは、世の中に5人に1人の割合で存在します。

少数派ですので、非HSP・非HSCから、ネガティブなレッテルを貼られるなどした場合、HSCは傷ついてしまうことがあります。

だからこそ、HSCが幸せに生きるためには、親がHSCを理解すること、

そして何より

  • 【原則1】HSCに安心感を与える
  • 【原則2】HSCの自分軸を育む(コントロールしない)
  • 【原則3】HSCをサポートする

ことで、HSCの「自己肯定感」を育むことが最も大切です。

子どもが「HSCどうかを知るための、23のチェックリスト」

「HSC」「HSP」という言葉を生み出した心理学者のエレイン・アーロン博士は、著書「The Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)」の中で、子どもが「HSCかどうかを知るための、23のチェックリスト」を設けています。

まずは、お子さんが当てはまるかどうか、次の▼でチェックしてみてくださいね。

HSCかどうかを知るための、23のチェックリスト

次の質問に、感じたまま答えてください。

子どもについて、

どちらかといえば当てはまる場合、あるいは、過去に多く当てはまっていた場合には「はい」、

全て当てはまらないか、ほぼ当てはまらない場合には「いいえ」と答えてください。

  1. すぐにびっくりする
  2. 服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
  3. 脅かされるのが苦手である
  4. しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
  5. 親の心を読む
  6. 年齢の割に難しい言葉を使う
  7. いつもと違うにおいに気づく
  8. ユーモアのセンスがある
  9. 直観力に優れている
  10. 興奮したあとはなかなか寝付けない
  11. 大きな変化にうまく適応できない
  12. たくさんのことを質問する
  13. 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
  14. 完璧主義である
  15. 誰かがつらい思いをしていることに気づく
  16. 静かに遊ぶのを好む
  17. 考えさせられる深い質問をする
  18. 痛みに敏感である
  19. うるさい場所を嫌がる
  20. 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
  21. 石橋をたたいて渡る
  22. 人前で発表するときには、知っている人だけのほうがうまくいく
  23. 物事を深く考える

13個以上に「はい」なら、お子さんはおそらくHSCでしょう。

しかし、心理テストよりも、子どもを観察する親の感覚のほうが正確です。

たとえ「はい」が1つか2つでも、その度合いが極端に強ければ、お子さんはHSCの可能性があります。

The Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)(著:エレイン・アーロン)
ネコヤナギ

ちなみに、わが子は23のチェックリストの全て「はい」です(;^ω^)

HSCの根底にある4つの性質(D・O・E・S)

HSCの根底には、次の4つの性質(D・O・E・S)が必ず存在します。

4つのうち1つでも当てはまらないなら、その子はおそらくHSCではありません。

D:何事も深く考えて処理する
<Depth of processing>
物事を深く考えたり、感じたりします。
  • 他人への影響を気にする
  • よく調べてから提案する
  • 1を聞いて10を知る
  • 根拠をもって言動する
  • トラブルを想定する
  • 試行錯誤を繰り返す
  • モラルを内面化している
  • 大人びている
  • 常に考え事をしている
  • いろいろな可能性を考えて慎重になるので、なかなか決断できない
  • じっくり観察してから考えるので、行動するのに時間がかかる
  • 「まぁいいか」と放っておくのが苦手
  • 浅い話には興味がない
O:過剰に刺激を受けやすい(感覚面での不快感がつのりやすい)
<being easily Overstimulated>
五感がとても敏感です。
  • 音、光、におい、味、熱さ、寒さ、空腹、喉の渇き、痛みなどに敏感
  • 合わない靴、濡れた服、チクチクする服、サプライズ等が苦手
  • 人に見られたり実力を試されたりする場面では、普段の力を発揮できない
E:感情の反応が強く、特に共感力が高い
<being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular>
他人の感情の動きに敏感で、特に共感力が高く、感情移入しやすいです。
  • 人の気持ちや空気を読む
  • 涙もろい
  • 完璧主義
  • 残酷なこと、不公平なこと、ささいな間違いに強く反応する
  • 怒られている人を見るのがつらい
  • 喜んでいる人を見るとうれしい
S:ささいな刺激を察知する(思考や感情のレベルが高いことによる)
<being aware of Subtle Stimuli>
ささいな刺激や変化に敏感で、観察力や洞察力に優れています。
  • 人の外見、声のトーンの小さな変化に気づく
  • ものの配置の変化にすぐ気づく
  • 励ましや他の人が望むことを察知する
  • 芸術作品に対して観察力が鋭い

我が家は「ひといちばい敏感な家族」

私と妻はHSP娘2人(長女8歳、次女5歳)はHSCなので、我が家は「ひといちばい敏感な家族」です。

長女と次女のHSCの性質
  • 優しい
  • 気配り上手
  • 共感力が高い
  • 誠実・良心的・正義感が強い
  • よく観察して判断する
  • 感受性豊か
  • 意思が強い/頑固
  • 創造的
  • 几帳面/神経質
  • 慎重派/心配性
  • 注意深い/人見知り
  • 人に気を遣う/引っ込み思案
  • 繊細で傷つきやすい
  • 痛がり
  • 怖がり
  • 大きな音が苦手
  • 悪者キャラクターが苦手
  • かんしゃくを起こす内弁慶

HSCについて勉強する前は、親である私自身の自己肯定感が低いこともあって、娘2人の敏感な性質に対して、「私と似ていて苦労するかも。どうにか克服させないと……。」と悩んでました。

しかし、HSCについて勉強した今は、HSCの性質は、短所として克服するものではなく、長所として伸ばしていくもの」と考え方が変わりました。

参考:私が熟読したHSC・子育て・育児本

参考として、私が熟読したHSC・子育て・育児本をご紹介します。

①から順番に、読んでよかった、参考になった本の順です。

特に①~④の本は、それぞれ異なる視点でHSCの子育てについて書かれているので、まとめて読むと理解が深まります。

忙しい方は、①「HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子(著:明橋大二)」がマンガもあって分かりやすく、1時間程度で読めますので、こちらだけでも読むことをオススメします。

私が読んだHSC・子育て・育児本
  1. HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子(著:明橋大二) 
  2. 敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本(著:長岡真意子)
  3. 子どもの敏感さに困ったら読む本: 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方(著:長沼睦雄)
  4. 一生幸せなHSCの育て方 「気が付き過ぎる」子どもの日常・学校生活の「悩み」と「伸ばし方」を理解する(著:杉本景子)
  5. 子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方(著:菅原裕子)
  6. The Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)(著:エレイン・アーロン)
  7. 鈍感な世界に生きる敏感な人たち(著:イルセ・サン)
  8. 3~6歳までの実践版モンテッソーリ教育で自信とやる気を伸ばす!(著:藤崎達宏)
  9. 教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方(著:島村華子)
  10. 子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す!「自己肯定感」育成入門(著:平岩国泰)
  11. 教えて、明橋先生! 何かほかの子と違う? HSCの育て方 Q&A(著:明橋大二) 
  12. 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば(著:石田勝紀)
  13. 子どもが育つ魔法の言葉(ドロシー・ロー・ノルト/レイチェル・ハリス著)
  14. 忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス(著:明橋大二) 
HSCの子育て本を読んで分かったこと

これらの本を読んで「わが子はHSCなんだ」と分かると同時に「親の私自身も子どもの頃、HSCだったんだ」と分かりました。

私自身も、控えめな性格で学校の集団生活にうまくなじめず、親や先生の顔色ばかりを気にしていた子どもでした。

子どもの頃から「どうして自分は他の子たちと違うんだろう、自分はダメなんだ……」と自分を責めていました。

しかし今回、HSCについて学ぶことで「自分はダメではなかった。そういう性質で生まれただけ」と理解し、本当に心が軽くなり、親である私自身の自己肯定感が高まったことを実感しています。

HSCの子育て本の【オススメ5選】は次の記事にもまとめていますので、ぜひ読んでくださいね!

親の最重要使命は、HSCの「自己肯定感」を育むこと

幸せな人生には「自己肯定感」が必要不可欠

「自己肯定感」とは

  • 自分で自分のことを「私は大切な人間」「自分のことが好き」と思う気持ち
  • 自分のありのままの姿、よいところもよくないところも全部ひっくるめて「私は私でいい」と自分の生きている価値や存在意義を肯定する・認めること

です。

幸せな人生には「自己肯定感」が必要不可欠です。

特に子どもの場合、「自己肯定感」が心の成長の土台となって、しつけやルール、勉強などが積み上がっていきます。

具体的には、自己肯定感の高低によって、子どもの成長に次のような違いが生まれます。

自己肯定感が高いと
  • 自分のことを価値ある人間、自分の存在に対する自信があるので、何事にもポジティブになれる
  • 「自分ならば大丈夫」と少々ツラいことがあっても乗り越えて、チャレンジして成長していくことができる
  • 自分のことを大切な人間と認めることで、他人のことも大切にできる
自己肯定感が低いと
  • 自分のことを価値のない人間、自分の存在に対する自信がないので、何事にもネガティブになる
  • 「どうせ自分には無理だ」と自分を卑下し、チャレンジして成長することをあきらめてしまう
  • 自分のことを大切にせず粗末に扱うことで、他人のことも大切にできない

人生の幸福度を決めるのは「自己肯定感」です。

ところが、HSCはその性質から「自己肯定感」を持ちにくい傾向にあるのです。

このため、HSCが幸せに生きるためには、HSCの「自己肯定感」を育むことが親の最重要使命となるのです。

HSCが「自己肯定感」を持ちにくい4つの理由

HSCが「自己肯定感」を持ちにくい理由は4つあります。

理由①:しつけの影響を受けやすい

HSCは、少しの否定や軽い注意の言葉を強く受け取り、全否定されたように感じてしまうなど、しつけの影響を受けやすい傾向があります。

わが子のケース

私が軽く叱っただけで、すねて、落ち込み、泣くことがあります。

親としては「厳しく叱ってないのに泣かなくても……」と困惑します。

HSCの自己肯定感を下げないためには
  • 強い語調で叱らない。優しく注意するだけで十分
  • 全面否定にならないように、できている部分も伝える(例「この部分はいいね。あとは、この部分がこうなるともっといいね」)
  • 強い語調で叱る
  • 全面否定する
  • 罰を与える
  • 虐待
  • スパルタ教育

理由②:自分に厳しく、自分をネガティブに見やすい

HSCは、自分に厳しく、完璧主義なところがあり、少しでもマイナスがあると自分を責めたり、自分をネガティブに見やすい傾向があります。

わが子のケース

絵を描いていて、少しでも自分の思うように描けないと「もう描きたくない」とすねてしまうことがあります。

将棋などのボードゲームで私に負けると、悔し泣きすることがあります。

親としては「遊びで負けただけで泣かなくても……」と困惑します。

HSCの自己肯定感を下げないためには
  • 子どもが自分に厳しすぎるなと感じたら「もっと気楽に考えていい」と伝える
  • 子どもが完璧主義に陥っていたら「白か黒かではなく、グレーでもいい。0か100かではなく、1~99でもいい」と伝える
  • 親が完璧主義にならないように注意し、子どもが完璧にできなくても、できたところを認める
  • 親が完璧主義になり、子どもが完璧にできないと厳しく責める

理由③:手のかからない「いい子」になりやすい

HSCは、親や大人の気持ちを敏感に察知し、大人の望む行動をとることで、手のかからない「いい子」になりやすい傾向があります。

大人からすると助かりますが、子どもは本来、手がかかるものです。

もし手がかからないとすれば、子どもが相当我慢をしているか、背伸びしているのです。

わが子のケース

家の外では手のかからない「いい子」ですが、家ではかんしゃくを起こす内弁慶です。

HSCの自己肯定感を下げないためには
  • 子どもが無理をしていないか考える。「無理しなくていい」「自分の気持ちを言っていい」と伝える
  • 手のかからない「いい子」だからといって、十分な世話や関心を示さない

理由④:学校などの集団生活で萎縮しやすい

HSCは、学校などの集団生活で萎縮しやすい傾向があります。

学校などの集団生活は、基本的に同調圧力が強いため、少数派であるHSCは尊重されにくいです。

学校には、やんちゃな子、人をたたく子、悪口を言う子、からかう子、思いやりのない子などがいます。

先生は大きな声で叱りますし、人前で発表もしないといけません。

学校は、HSCにとって刺激が強く、なかなか過酷な環境といえます。

そんな過酷な環境の中で、過度な緊張を強いられたHSCは、本来持っている力を発揮するどころか、萎縮してしまいます

しかも、HSCが萎縮している様子を、周りの子から「おとなしい」「消極的」「引っ込み思案」などとネガティブなレッテルを貼られたり、からかわれたり、先生から「元気がない」などと言われたりすれば、「自分はダメだ」「自分の能力が低いんだ」とツラく悲しい気持ちになり、自己肯定感が下がってしまうでしょう。

しかし、HSCは決してダメでもないし、能力が低いわけでもありません。

非HSCが多数派を占める学校などの集団生活が苦手なだけです。

穏やかで思いやりのある集団であれば、萎縮せず、本来持っている力を存分に発揮できるはずです。

私の子ども時代のケース

私にとって、学校はまさに「地獄」のようなところでした。

小学校では、授業中でも自分以外の周りの子は先生の話をまったく聞かずに騒いで、先生が大きな声で怒鳴っても誰も相手にせず、先生が泣きだす学級崩壊状態。

中学校では、サッカーやバスケなどの集団球技がうまくできず、バカにされて萎縮し自信が持てず。

高校では、周りはヤンキーばかりで、真面目な私は全くなじめず。

周りからは「おとなしい」「暗い」とネガティブなレッテルを貼られ、先生から「元気がない」と言われ、「自分はダメなんだ」と自己肯定感はドン底でした。

大学に入って、ようやく同調圧力がなくなり、気の合う友人と過ごして、自分のしたいこと・好きなことを追求できるようになって、「生きるって楽しんだな」と初めて思えました。

HSCの自己肯定感を下げないために
  • HSCにとって、学校は行けて当たり前の場所ではない、大変な場所だと認識する
  • 周りがどう言おうと、子どものペースを尊重し、子どもを信じ、学校に行くことを無理強いしない
  • 子どもが学校で傷ついて帰ってきたら、親が子どもの味方になり、安心感を与える
  • 学校を子どもが行けて当たり前の場所だと認識する
  • 子どものペースを無視し、子どもを信じず、無理強いする
  • 子どもが学校で傷ついて帰ってきたのに、親が子どもの味方にならない

HSCの「自己肯定感」を育むための3原則/20の大切なこと

幸せな人生には「自己肯定感」が必要不可欠です。

ところが、HSCはその性質から「自己肯定感」を持ちにくい傾向にあります。

このため、HSCが幸せに生きるためには、HSCの「自己肯定感」を育むことが親の最重要使命となります。

「自己肯定感を育む」とは「愛すること」を教えることです。

「愛すること」を教えられた子は、自分を愛し肯定しているので、苦しいことがあっても強くいられますし、一生幸せに生きることができます

HSCは、ネガティブなことだけでなく、ポジティブなこともグングン吸収しやすい性質を持っています。

つまり、親がHSCを心から愛することによって、HSCは、親の愛をグングン吸収して「自己肯定感」を育み、一生幸せに生きることができるということです。

HSCが一生幸せに生きるために最も大切なことは、親がHSCの自己肯定感を育むことです。

それではこれから、親が「HSCの自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと」をご説明します。

HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと

まずは「HSCの自己肯定感を育むための【原則1】安心感を与える」をご説明します。

【原則1】安心感を与える

親が自分の心をケアし、親自身の心を安定させる

親が自分の心をケアし、親自身の心を安定させることが大切です。

HSCは、親の心を敏感に読み取ります

仕事や人間関係などのストレスで、親の心が不安定になると、HSCはそれを敏感に読み取り、心が不安定になります。

逆に、親の心が安定していると、HSCの心も安定します。

親の心とHSCの心は、表裏一体です。

つまり、まずは親自身の心を安定させることが、HSCの心の安定につながるのです。

親自身の心を安定させるためには、親が自分の心のケアをすることが大切です。

例)親が自分の心のケアをする
  • 自分のしたいことをする、行きたい場所に行く
  • 趣味や好きなことをする
  • リラックスする時間を持つ
  • ひとり時間を持つ
  • 有給をとって充電する時間を持つ
  • 家事育児を完璧にやろうとせず、適当にサボる
  • 休日は昼まで布団の中でゆっくり過ごす

など、自分をいたわる時間を持つ

親が自分の心をケアせずにストレスを抱えていると、結局それはHSCの心を不安定にします。

自分の心のケアを優先することに、親は罪悪感を持つ必要はありません。

HSCにとって、親が笑顔でいてくれることが何より幸せなんですから。

ネコヤナギ

無理せずに、親自身が自分を大切にしながら子育てしましょうね。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 親が自分の心をケアし、親自身の心を安定させる
  • 親が自分の心のケアをせず、親自身の心を安定させない

②無条件の愛情を伝えることで、家庭を安全基地にする

無条件の愛情を伝えることで、家庭を安全基地にすることが大切です。

HSCは、学校など家の外で多くの強い刺激にさらされて、ヘトヘトに疲れて帰ってきます。

その疲れを癒さなければ、毎日を元気に過ごすことはできません。

HSCが疲れを癒すためには、家庭が安らぎの場、「安全基地」であることが大切です。

「家の外で疲れて帰ってきても、家に帰れば、パパとママは自分を理解してくれて、常に味方でいてくれる。自分という存在を無条件で受け入れてくれる」という安心感が、HSCの心を癒します

その安心感は、親の「無条件の愛情」がHSCに伝わることで生み出されたもの。

つまり、親が「無条件の愛情」をHSCに伝えることで、家庭が「安全基地」となるのです。

具体的には、

毎日タイミングを決めて、HSCと同じ目線になり、目を見て、笑みを浮かべて、ギュッと抱きしめたり、手を握ったりとスキンシップをとりながら、

  • 「おはよう」
  • 「いってらっしゃい」
  • 「おかえり」
  • 「おやすみ」
  • 「大好きだよ」
  • 「愛しているよ」

などと、心を込めて声をかける

そういった「無条件の愛情」を伝える声かけが、毎日変わらず繰り返されることで、HSCは「どんなことがあっても、ここに戻ってこられる。パパとママは、いつでも自分を大切に思ってくれる」と安心し癒され、自己肯定感を育むのです。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 「無条件の愛情」を伝えることで、家庭を「安全基地」にする
  • 「〇〇だから好きだよ」などと「条件付きの愛情」を伝える
ネコヤナギ

子どもが寝る前に「おやすみ。大好きだよ」とギュっと抱きしめるだけでも、親の「無条件の愛情」は子どもに伝わるものです。

③安心して話せる環境をつくり、ネガティブな感情を吐き出させる

安心して話せる環境をつくり、ネガティブな感情を吐き出させることが大切です。

ストレスがたまった時、ネガティブな感情をワーッと話して吐き出すと、心がスッキリしますよね?

それは子どもも同じです。

特にHSCはネガティブな感情を抱きやすいので、親がHSCのネガティブな感情をしっかり吐き出させて心を軽くしてあげることが大切です。

親は、HSCが安心して話せる環境をつくりましょう。

例)HSCが安心して話せる環境づくり
  • 「いつでも何でも話していいよ。ちゃんと聴くよ」という姿勢で、HSCの話をしっかり傾聴する
  • HSCの話を批判せず、理解に努め、共感する
  • HSCのペースで話させて、話を遮らない
  • HSCが考えながらゆっくり話しているときは、急かさずに待つ
  • HSCに質問したら、答えが返ってくるまで急かさずに待つ
  • HSCからどんな答えが返ってきても尊重する
  • HSCに親の考えを押し付けない
  • 無理に聞き出すのではなく、HSCが話しやすいリラックスした雰囲気をつくる

HSCは親に話を聞いてもらい、受け止めてもらうだけで、自分の気持ちを整理して、自ら解決策を考えることができます。

親はHSCに頼まれてもいないのに、考えを押し付けたり、アドバイスや解決策を示したりしてはいけません

親の仕事は、HSCが自ら考えた解決策が、HSCにとって本当にベストなのかを一緒に考え解決に向けてサポートすることだからです。

わが子のケース

長女は学校から帰ってきたら、学校であったことをワッーとマシンガンのように話してきます。

私はその話を遮らず、しっかり傾聴し、「そうなんだね」「大変だったね」「よかったね」と共感します。

それだけで、長女はスッキリするようです。

HSCの自己肯定感を育むために
  • HSCの話を傾聴し、理解に努め、共感し、尊重するなど、HSCが安心して話せる環境をつくる
  • HSCが自ら考えた解決策が、HSCにとって本当にベストなのかを一緒に考え、解決に向けてサポートする
  • HSCの話を批判し、話を遮り、答えを急かすなど、HSCが安心して話せない環境をつくる
  • HSCに頼まれてもいないのに、親の考えを押し付けたり、アドバイスや解決策を示したりする
ネコヤナギ

親が不機嫌だったり心が不安定だと、HSCは安心して話せませんから、「①親が自分の心をケアし、親自身の心を安定させる」も大切ですね。

④不快な気持ちを否定せず、信じて受け止める

不快な気持ちを否定せず、信じて受け止めることが大切です。

HSCは、親に不快な気持ちを訴えることがあります。

例えば、

  • 小さなすり傷を「痛い痛い」とすごく痛がる
  • 風船が割れる音や雷が落ちる音を「嫌だ」と大泣きする
  • トイレに一人で行くことを「怖い」とおびえる

などです。

HSCが不快な気持ちを訴えてきたとき、「大げさだ」と感じて「痛くないよ」「たいした音じゃないよ」「怖くないよ」とHSCの気持ちを否定したことはありませんか?

実は、HSCの不快な気持ちを親が信じようとせず否定すると、HSCは親に不信感を抱き、気持ちや本音を素直に出せなくなり、自己肯定感が下がってしまうのです。

HSCはその「敏感さ」ゆえに、「痛い」と言ったら本当に痛い「嫌だ」と言ったら本当に嫌「怖い」と言ったら本当に怖いと感じています。

親は、そんなHSCの不快な気持ちを否定せず、信じて受け止めるようにしましょう。

HSCは自分の気持ちを親に信じてもらい、受け止めてもらえるだけで安心します。

その安心感が、HSCに不快な気持ちを乗り越えようとする勇気を与えることにつながるのです。

わが子のケース

子どもが不快な気持ちを訴えてきたら、「痛いんだね」「嫌なんだね」「怖いんだね」と受け止め、子どもに「どうしたい?」「どうしてほしい?」と聞きます。

子どもから「でも、大丈夫だよ」と答えが返ってきたら、それで話は終わりです。

「痛いから絆創膏を貼りたい」「嫌だから家に帰りたい」「怖いから一緒にいてほしい」などと「〇〇したい」と答えが返ってきたら、子どもの答えを尊重しつつ、どうするか一緒に考えて対応しています。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 子どもの不快な気持ちを否定せず、信じて受け止める
  • 子どもの不快な気持ちを否定する
ネコヤナギ

私もHSCについて勉強する前は、子どもの不快な気持ちを「大げさだ」とよく否定していました……。
今は、子どもの不快な気持ちを受け止めるようにしており、子どもの表情がパッと安心したように変わることを実感しています。

⑤タイミング・ペースを尊重して見守る

タイミング・ペースを尊重して見守ることが大切です。

HSCはとても慎重です。

知らない人と会ったり、新しい環境に入ったり、新しい物事に取り組んだりするとき、まずはじっくり観察します。

行動を起こすのに時間がかかるので、HSCのことを理解していない親からすると、もどかしく感じてイライラしてしまうこともあるでしょう。

しかし、HSCは深く考えているだけで、ボーっとしているわけではないので、「早くして!」と急かしたり焦らせたりしてはいけません

HSCは観察を終えて「大丈夫」と安心できたら、しっかり行動し始めます。

親はドッシリと構えて、「この子にはこの子のタイミング・ペースがある」と尊重して見守りましょう

わが子のケース

娘2人を絵画教室に通わせていました。

他の子が描き始めるなか、娘2人は他の子の描いている様子をジーっと観察して、なかなか描き始めません。

HSCのことを理解していなかった私は「なんで描き始めないの?制限時間もあるのに!」とイライラして「早く描いて!」と急かしていました。

今考えると、娘2人は他の子がどんな絵を描いているか、じっくり観察して、深く考えていたのですね。

急かしてしまったことを反省しています。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 「この子にはこの子のタイミング・ペースがある」と尊重して見守る
  • HSCのタイミング・ペースを尊重せず、急かしたり焦らせたりする
ネコヤナギ

そうは言っても制限時間があったりすると、親も焦るし、急かしたくもなりますよね。。
そんなときは、イライラせずに、できるだけ優しく「あまり時間がないよ。そろそろ行動できそうかな?」と子どもに話し聞かせましょう。

⑥他の子(兄弟姉妹、昔の自分を含む)と比較しない、普通を目指さない

他の子(兄弟姉妹、昔の自分を含む)と比較しない、普通を目指さないことが大切です。

HSCは、世の中に5人に1人の割合の少数派であり、一般的な子育て・育児本に書かれているような、多数派の「普通」の子とは少し違います

少数派のHSCにとって、多数派の「普通」の子と比較されるのはツラいことです。

しかし、学校では勉強や運動などの成績によって、どうしても比較されることは避けられません。

だからこそ、せめて家庭ではHSCを他の子(兄弟姉妹、昔の自分を含む)と比較してはいけません

HSCと他の子を比較することは、HSCを否定することと同じです。

HSCにとって何より悲しいことは、親が自分ではなく他の子の味方をしたり、自分よりも世間の「普通」を大事にしたりすることです。

他の子と比較されたHSCは、劣等感を抱き、みじめになり、自分のことを責め、自信が持てなくなり、自己肯定感を下げてしまいます。

「HSP」「HSC」という言葉を生み出した心理学者のエレイン・アーロン博士は、HSCを育てる親の座右の銘として、

他と違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要

The Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)(著:エレイン・アーロン)

と言っています。

つまり、親はHSCを「普通」の子として育てる必要はないし、HSCは「普通」なんか目指さなくていいのです。

例)「普通」を目指さない親の対応
  • 「普通」の子が好きな遊びを、HSCが「好きじゃない」と言うならば、「他の子は好きなのに」と落胆するのではなく「ああ、この子は好きじゃないんだな」とHSCの気持ちを受け止めてください
  • 「普通」の子ができることを、HSCができないならば、「他の子はできるのに」と失望するのではなく「この子はこの子でいいんだ」とHSCを尊重してください

HSCには「普通」の子にはない、豊かな感受性や共感力、洞察力という素晴らしい性質があります。

他の子と比較したり、「普通」を目指したりする必要はありません。

親がHSCのことを理解して、しっかり向き合っていけば、HSCは持ち前の性質を発揮して、自分の成長に必要なものを自ら見極めて道を切り開いていけるはずです。

HSCの自己肯定感を育むために
  • HSCを他の子と比較しない、普通を目指さない
  • HSCと他の子を比較したり、普通を目指す
ネコヤナギ

HSCは基本的には努力家です。
最初は「普通」の子のようにできなくても、コツコツ取り組み、いずれはできるようになるので、親は他の子と比較せずに見守りましょう。

⑦かんしゃくを起こしたとき、親は感情を高ぶらせず、冷静に対処する

かんしゃくを起こしたとき、親は感情を高ぶらせず、冷静に対処することが大切です。

HSCは、学校や保育園など家の外では「とてもいい子」ですが、家ではかんしゃくを起こしたり、文句が多かったり、執拗に甘えてきたり、内弁慶で手のかかる子になる傾向があります。

特にかんしゃくを起こされると、親も仕事で疲れて帰ってきているので、一緒に感情を高ぶらせて「うるさい!」と怒ったり突き放したりしたくなるかもしれません。。

私も次女のかんしゃくが激しくて結構ツラいので、その気持ちがすごく分かります。

しかし今後は、親も一緒になって感情を高ぶらせて怒ったり突き放したりすることは、控えましょう。

HSCは、家の外で多くの強い刺激にさらされて、ヘトヘトに疲れて帰ってきます。

HSCのかんしゃくは、この家の外での疲れが、という安心できる環境で表出しているものであり、HSCが家の外で頑張ってきた証拠なのです。

(HSCが内弁慶で手のかかる状態であることは、家がHSCにとって安心できる環境であり、親の子育てがうまくいっている証拠でもあります)

HSCがかんしゃくを起こしたら、「家の外で頑張って疲れたんだな」とHSCを思いやる心を持って、一呼吸入れて冷静に対処しましょう。

例)HSCがかんしゃくを起こしたとき
  1. 親も一緒になって感情を高ぶらせて、怒ったり突き放したりしない
  2. 親は一呼吸入れて冷静になり、子どもを落ち着かせることを優先させる
  3. 子どもを抱きしめる。もしくは、子どもが暴れるならば、少し離れたところから様子を見守る
  4. 子どもが少し落ち着いてきたら、抱きしめる
  5. 「嫌だったんだね」「疲れたね」と気持ちを言葉にして返してあげたり癒してあげる
  6. 子どもは親の温もりを感じ、ゆったりと普段の自分を取り戻す
  7. 子どもが落ち着いてから、優しく言い聞かせたり、今後どうするのか話し合う
HSCの自己肯定感を育むために
  • HSCがかんしゃくを起こしたとき、親は感情を高ぶらせず、冷静に対処する
  • HSCがかんしゃくを起こしたとき、親も一緒に感情を高ぶらせて、怒ったり突き放したりする
ネコヤナギ

かんしゃくへの対処はめちゃくちゃ大変ですよね。。
私は自分が怒りそうになったら「怒りそう!」と言いながら、トイレに籠り一時避難して、自分が冷静になるのを待つようにしています。。

⑧一人の人間として尊重し、レッテル貼りやコントロールしようとしない

一人の人間として尊重し、レッテル貼りやコントロールしようとしないことが大切です。

HSCには、たっぷり愛情を注ぎながら、その子自身をよく見て、一人の人間として、感じ方・考え方・気持ちを尊重し、理解に努め続けましょう

「この子はこうだろう」と思い込んだり、レッテルを貼ってはいけません

親の価値観や期待を押し付けて、コントロールしようとしてはいけません

親がいろいろ心配しなくても、HSCを一人の人間として尊重していれば、育て方の答え目の前のHSCが教えてくれます

HSCの成長に、子育て・育児本のマニュアル通りの言葉は必要ないのです。

HSCを目の前にして考え、素直に出てくる愛情のこもった親の言葉のほうが、敏感なHSCの心には響くのですから。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 一人の人間として尊重し、レッテル貼りやコントロールしようとしない
  • 一人の人間として尊重せず、レッテルを貼り、コントロールしようとする
ネコヤナギ

HSCの感じ方・考え方・気持ちをいつも尊重しましょう。
親がいろいろ心配してコントロールしようとしなくても、HSCは安心感があれば、まっすぐ成長するので大丈夫です。


HSCの自己肯定感を育むための【原則1】安心感を与える」をご説明しました。

次に「HSCの自己肯定感を育むための【原則2】自分軸を育む」をご説明します。

【原則2】自分軸を育む(コントロールしない)

⑨性質を「短所」ではなく「長所」と捉え直して伸ばす

性質を「短所」ではなく「長所」と捉え直して伸ばすことが大切です。

HSCは、周りから「引っ込み思案」などとネガティブなレッテルを貼られてしまうことが、少なくありません。

今の世の中は、HSCに典型的な「控えめで物静かにゆっくり物事を熟慮するタイプ」よりも「活発で行動力のあるタフなタイプ」のほうが、健康的で頼もしいと評価される傾向にあるからです。

HSCだった私も、子どもの頃から「おとなしい」などとネガティブなレッテルを貼られ、自分を好きになれず、自己肯定感を下げて生きてきました。

では、そんなHSCの性質は「短所」として克服すべきものなのでしょうか?

そもそも、持って生まれた性質というものは、簡単に変えることはできません

「短所」を克服することは、どうしても限界がありますし、克服が難しい場合、HSCは自信を失ってしまうかもしれません。

つまり、HSCの性質は「短所」として克服すべきものではありません。

「長所」と捉え直して伸ばすべきものなのです。

(「短所」を別の角度から見て「長所」に捉え直すことを「リフレーミング」といいます)

親は、HSCの性質を「短所」ではなく「長所」と捉え直し、HSCに伝えることで、HSCが自分のポジティブな面に目を向けて「長所」として伸ばせるようにサポートすることが大切です。

そもそも「短所」は「長所」の裏返しであり、子どもの個性です。

「短所」「長所」とは大人のモノサシで区分けされたものであり、本来は子どもの個性の「違い」なだけです。

子どもの個性とは、否定したり消したりするものではなく、「そのままでいい」「それでしょうがない」と付き合っていくものです。

HSCの性質は、どれもが尊く、人として尊敬できる素敵なものばかりです。

ただし、その性質ゆえに気苦労も多く、傷つくこともあるでしょう。

そんなときに、HSCの一番近くにいる親が「そのままの君でいい。自分の個性を活かせばいい。長所を伸ばせばいい」と伝え続けてあげてください

親が、HSCの「長所」を心から理解し「そのまま伸びればいい」と、HSCのことを誇りに思っていれば、HSCは自分の「長所」に自信を持つことができ、自己肯定感が育まれていくのです。

例)「短所」ではなく「長所」と捉え直す(リフレーミング)
短所とされるもの
長所に捉え直す
(リフレーミング)
  • 繊細
  • 傷つきやすい
  • 気を遣いすぎる
  • 心配症
  • 怖がり
  • 神経質
  • 人見知り
  • 引っ込み思案
  • 恥ずかしがり屋
  • おとなしい
  • 優柔不断
  • 生真面目
  • 考えすぎる
  • 頑張りすぎる
  • 完璧主義
  • 感受性豊か
  • 優しい
  • 気配り上手
  • 計画性がある
  • 注意深い
  • 几帳面、丁寧
  • 観察力がある
  • 慎重
  • 思慮深い
  • 落ち着いている
  • 多角的に考える
  • 誠実、良心的
  • 洞察力がある
  • 責任感がある
  • 努力家
HSCの自己肯定感を育むために
  • 性質を「短所」ではなく「長所」と捉え直して伸ばす
  • 性質は「短所」として克服させようとする
ネコヤナギ

私も自分のHSPの性質を克服しようと、約40年間いろいろ試してきましたが、まったく無駄に終わっています。。
性質は「短所」ではなく「長所」として活かして伸ばしましょう!

⑩上から目線の「褒める」ではなく、対等な目線の「認める」「感謝する」ことで感情を分かち合う

上から目線の「褒める」ではなく、対等な目線の「認める」「感謝する」ことで感情を分かち合うことが大切です。

HSCをおざなりに褒めていませんか?

実は、HSCの中には「褒め言葉」に対して、無意識に過剰な責任感やプレッシャーを感じてしまう子がいます。

HSCは、親が自分に何を期待しているのかを察して、その期待に応えようと頑張ります。

期待に応えようと頑張るHSCにとって、「褒め言葉」は「そうならないとダメだよ」とも受け取れるからです。

HSCに対して、おざなりに反射的に「褒める」ことは慎みましょう。

例)HSCの「褒め言葉」の受け取り方
  • すごいね → すごくないとダメだよ
  • 上手だね → 上手にできないとダメだよ
  • えらいね → えらくないとダメだよ
  • 頭いいね → 頭がよくないとダメだよ
  • 優しいね → 優しくないとダメだよ
  • いい子だね → いい子でないとダメだよ
  • 才能あるね → 才能がないとダメだよ
  • さすがだね → さすがでないとダメだよ
  • よくできたね → できないとダメだよ

そもそも「褒める」子育てには、大きな弊害があります。

「褒める」子育てに頼ると、子どもは自己肯定感の高い「自分軸」のある人間ではなく、自己肯定感の低い「他人軸」の人間に育ってしまう恐れがあります。

子どもが、自分の意志ではなく、親や他人の評価によって自分の価値を決めてしまう自信がない人間になってしまうのです。

褒める」という行為は、親が子どもの行動・能力・成果に対して、「上から目線」で「よい」と評価したときに限って、親から子どもに「愛情」を与える行為です。

「よい」と評価されなかった場合、子どもは「愛情」を与えられません。

子どもは親からの「愛情」を何より求めています。

確かに、子どもに「よい」成果を出させるために、親からの「愛情」をエサにして、子どもを頑張らせるのは効果があるかもしれません。

しかし問題は、この子どもは自分の意志ではなく、「条件付きの愛情」によって親にコントロールされているということです。

本来、子どもは自分の意志で、今自分の成長に必要なものを選択・集中して行動しています。

親や大人に見せるためでも、褒められるためでもありません。

子どもは、何かを達成したとき、新しいことを発見したとき、うれしいことがあったとき、喜び・興奮・驚きなどといった感情を、大好きな親や大切な人と共有し「対等な目線」で一緒に分かち合いたいのです。

大好きな親や大切な人と「対等な目線」で一緒に分かち合うことで、自分の居場所がある、自分の存在を受け入れられたという幸せな気持ちが生まれ、子どもの自己肯定感が育まれます

つまり、HSCの自己肯定感を育むためには、親はHSCに対して「上から目線」にならず、一人の人間として敬意を持ち、HSCの感情を「対等な目線」で共有し一緒に分かち合うことが大切なのです。

具体的には「認める」「感謝する」ことを積極的に行いましょう。

例)「認める」「感謝する」

まるで親友と話すように

  • 「よかったね」(認める)
  • 「やったね」(認める)
  • 「うれしいね」(認める)
  • 「頑張ったもんね」(認める)
  • 「あきらめなかったね」(認める)
  • 「ありがとう」(感謝する)
  • 「たすかったよ」(感謝する)

などと言葉をかけたり、

言葉にこだわらなくても伝わるのであれば、抱きしめたり笑顔を返したりしてもいいです。

上から目線で「褒める」ことで、HSCをコントロールするのではなく、対等な目線で「認める」「感謝する」ことで、HSCと感情を共有し一緒に分かち合っていく

それが、HSCの自己肯定感を育むことにつながるのです。

「認める」とは

子どもを評価せず、よく見て、知り、感じとり、気づき、ありのままに受け入れることです。

親から子どもに、まるで親友に話すように「君のことをよく見ているし、知っているし、気づいているよ」と具体的に伝えることで、子どもは「認められた」と感じます。

例えば、ひとめで分かりやすい、子どもの能力や成果だけに着目せず、子どもの取り組んだ「プロセス(挑戦・努力・姿勢・工夫など)」のよいところや、子ども自身も気づいていないような「小さな成長」を、子どもに具体的に伝えましょう

プロセス(挑戦・努力・姿勢・工夫など)のよいところを伝える
  • 「最後まで頑張ったね」(挑戦)
  • 「失敗してもあきらめなかったね」(挑戦)
  • 「毎日たくさん練習していたもんね」(努力)
  • 「毎日勉強頑張ってるもんね」(努力)
  • 「すごく集中していたね」(姿勢)
  • 「〇〇が困ってたから助けようとしてくれたんだね」(姿勢)
  • 「いろいろな方法を試したね」(工夫)
  • 「たくさんの色を使ってカラフルに塗ったね」(工夫)
子ども自身も気づいていないような「小さな成長」を伝える
  • 「ついこの間まではできなかったのに、だいぶできるようになったね」
  • 「苦手だった〇〇も食べられるようになったね」
  • 「難しい字も最近はきれいに書けるようになってるね」
HSCの自己肯定感を育むために
  • 対等な目線で「認める」「感謝する」ことで、子どもと感情を共有し一緒に分かち合う
  • 上から目線で「褒める」ことで、子どもをコントロールする

まるで親友に話すように、
「頑張ったね」
「よかったね」
「できるようになったね」
「ありがとう」
などと言葉かけをして、感情を分かち合っていきましょう!

⑪「叱る」ではなく「優しく諭す」

「叱る」ではなく「優しく諭す」ことが大切です。

HSCに大きな声で怒鳴ったり、厳しく叱ったり、親の不機嫌をHSCのせいにしたりしていませんか?

例)大きな声で怒鳴ったり、厳しく叱ったり、親の不機嫌をHSCのせいにする
  • 「だから言ったでしょ!何度言ったらわかるの!」(批判
  • 「あなたのせいで遅れたじゃない!」(責める
  • 「うるさい!」(文句を言う
  • 「そんなわがまま言うと、お化けがくるよ!」(脅す
  • 「言うこと聞かなかったら、週末のお出かけはなしね!」(罰する
  • 「ちゃんと聞いているの?本当に分かっているの?」(がみがみ小言を言う
  • 「なんでできないの?」(問い詰める
  • 「お行儀よくしていないと、恥ずかしいでしょ!」(人格否定
  • 「ダメ!」「違う!」「やめて!」(禁止
  • 「いい子にしてたらお菓子をあげる(いい子にしていないとお菓子をあげない)」(目先の褒美で釣る

HSCは、少しの否定や軽い注意の言葉でも強く受け取り、全否定されたように感じてしまう傾向があります。

親から大きな声で怒鳴られたり厳しく叱られたりしたHSCは、動揺して冷静に考えられなくなり、萎縮して本当の気持ちを抑え込んでしまうでしょう。

親の不機嫌を自分のせいにされたHSCは、親を困らせたり悲しませたりしないよう、親との関係に緊張感を持ってしまうでしょう。

HSCは、親が厳しく叱るほど、親の顔色をうかがうようになり、一見手のかからない「いい子」になりやすいです。

確かに、親としては「いい子」になってくれたほうが助かるかもしれません。

しかし問題は、HSCは自分の意志で「いい子」になっているのではなく、「叱る」という「罰」によって親にコントロールされているということです。

「褒める」と同様に、「叱る」子育てに頼ると、HSCは自己肯定感の高い「自分軸」のある人間ではなく、親や他人の評価によって自分の価値を決めてしまう、自信がない、自己肯定感の低い「他人軸」の人間に育ってしまう恐れがあります。

HSCの自己肯定感を育むためには、叱ってはいけません。

そもそも、敏感なHSCは悪いことをしたとき、「悪いことをした」という自覚を持っていることが多く、自覚を持っていなくても、それが悪いことであると分かっていないだけです。

そんなHSCには「叱る」のではなく、「優しく諭せば十分」であると肝に銘じておきましょう。

諭す(さとす

物事の道理をよくわかるように話し聞かせる納得するように教え導く

「優しく諭す」ためのスキル
HSC自身が「悪いことをした」という自覚を持っている前提で対処する

HSCは悪いことをしたとき、「悪いことをした」という自覚を持っていることが多いです。

うなだれたり泣いたりする場合、背中を抱くなどして、HSCが感じている「悪いことをしたための居心地の悪さ」に寄り添ってあげましょう

禁止ではなく、別の方向を示す

子どもは「ダメ!」と頭ごなしに叱られると、反発・逃げる・固まるという反応をします。

HSCならばなおさら、動揺して固まってしまい、どうすればよいか分からなくなってしまいます。

HSCが抵抗なく受け入れやすいよう、「代わりにこうしてね」と別の方向を示してあげましょう

  • 「大きな声で話したらダメ!」→
  • 「ひそひそ声で話せるかな?」
  • 「ダメ!おもちゃは買わないよ!」→
  • 「お誕生日に買おうね」
  • 「パパは仕事中だから話しかけたらダメ!」→
  • 「仕事が終わったらお話しようね」
  • 「人を叩いたらダメ!」→
  • 「手は人を優しくなでるためにあるんだよ」
親の気持ちを正直に伝える(わたしメッセージ(感情+理由+依頼))

わたしメッセージ(感情+理由+依頼)」とは、HSCを責める心を持たず、「親」自身の気持ちや感情、その理由、HSCに具体的にどう行動してほしいのかを伝えることです。

「わたしメッセージ」の場合、HSCは自分が責められているわけではないので、親のこととして冷静にメッセージを聞くことができます

親が伝えないと、HSCは親の感情とその理由に気づいてくれません。

親の感情とその理由が分かれば、HSCは行動を変えてくれます。

逆に「あなたメッセージ」の場合、HSCは責められていると感じて、反発・逃げる・固まるという反応をしがちで、親からのメッセージを聞けず、行動を変えてくれないでしょう。

  • 「あなたが朝ごはんを遊びながら食べたせいで、保育園に行くのが遅れるよ!」
  • 「パパは困ったな(感情)。あなたが朝ごはんを遊びながら食べると保育園に行くのが遅れてしまうから(理由)。明日は遊ばずに食べてくれるかな?(依頼)」
ダメ出し」ではなく「ヨイ出し」する

HSCは、少しの「ダメ出し」を大きく捉えてダメージを受けてしまう傾向があります。

HSCに対しては、できていないことの「ダメ出し」は厳に慎み、できていることの「ヨイ出し」をして「認める」ことが大切です。

どうしても、できていないことを伝えたい場合は、できていることの「ヨイ出し」をしつつ、できていないことは「もっとこうするとよくなるね」と今後への期待という形で伝えましょう

  • 「この部分ができてないよ」と「ダメ出し」する
  • 「Aはできているね。あとは、Bができるようになればもっといいね」と「ヨイ出し」をしつつ、できていないことも今後への期待という形で伝える
ルールを破ったときは、まず理由を聞く

ルールをつくった場合、HSCが納得するように丁寧に説明しましょう。

いったん決めたら、親であろうとそのルールに従って生活します。

HSCにルールを守ってもらうためには、親はルールの番人ではなく、HSCと同じようにルールに従って生きる人になることが大切です。

もしHSCがそのルールを破ったときは、いきなり叱るのではなく、まず理由を聞いた上で、優しく諭しましょう

HSCの自己肯定感を育むために
  • HSCには「優しく諭せば十分」であると肝に銘じ、厳しく叱らない
  • 「厳しく叱る」という「罰」によってHSCをコントロールする
ネコヤナギ

「優しく諭す」ためには、親自身が冷静でないといけません。
かんしゃくへの対処と同じように感情を高ぶらせず、一呼吸入れましょう!

⑫「~しなさい!(指示・命令)」ではなく「~かな?(質問で気づかせる・依頼する)」

「~しなさい!(指示・命令)」ではなく「~かな?(質問で気づかせる・依頼する)」の言い方が大切です。

HSCに何か行動してほしいとき、「~しなさい!(指示・命令)」の言い方をしていませんか?

例)「指示・命令」の言い方
  • 「早くしなさい!」
  • 「ちゃんとしなさい!」
  • 「片付けなさい!」
  • 「宿題しなさい!」
  • 「鼻水を拭きなさい!」

指示・命令」の言い方は、HSCにとって刺激が強すぎて、言葉の暴力と同じです。

指示・命令を受けたHSCは動揺したり萎縮したりして、反発・逃げる・固まるといった反射的な反応を引き起こし、結局、親が望むような行動をしてくれません。

「指示・命令」の言い方は、効果がないどころか、HSCを動揺・萎縮させたりする点で、かえって逆効果なのです。

HSCに何か行動してほしいときは、「~かな?」と「質問で気づかせる・依頼する」言い方が効果的です。

「質問で気づかせる・依頼する」言い方の場合、HSCは素直に受け入れて自分で敏感に気づいてくれたり、快く応じてくれたりすることが多いです。

「質問で気づかせる・依頼する」言い方をしても、HSCが行動してくれない場合は、優しく諭せばいいのです。

なお、たとえ質問であっても、「なんで~しないの?」と「問い詰める」言い方「叱る」と同様に、HSCを動揺・萎縮させるだけで、かえって逆効果なのでやめましょう。

例)「質問で気づかせる・依頼する」言い方
スクロールできます
指示・命令質問で気づかせる依頼する
早くしなさい!
今は何をする時間か分かるかな?急いでくれると助かるんだけど、お願いしていいかな?
ちゃんとしなさい!やり方は分かるかな?こういうやり方でしてくれるかな?
片付けなさい!ご飯を食べる前、おもちゃをどうするんだったかな?もうすぐご飯だから片づけてくれるかな?
宿題しなさい!宿題はいつする予定かな?テレビを見る前に宿題をしてくれるかな?
鼻水を拭きなさい!鼻水が出ているときはどうするんだったかな?鼻水が垂れてるから拭いてくれるかな?
HSCの自己肯定感を育むために
  • 「~かな?(質問で気づかせる・依頼する)」の言い方をする
  • 「~しなさい!(指示・命令)」の言い方をする
ネコヤナギ

責める心でコントロールしようとするのではなく、あたたかい心で民主的に接すれば、HSCの心は動いてくれるはずです!


HSCの自己肯定感を育むための【原則2】自分軸を育む」をご説明しました。

最後に「HSCの自己肯定感を育むための【原則3】サポートする」をご説明します。

【原則3】サポートする

⑬「甘やかす(ヘルプ)」ではなく「甘えを受け入れる(サポート)」

「甘やかす(ヘルプ)」ではなく「甘えを受け入れる(サポート)」ことが大切です。

HSCは親に甘えることで、安心したり、痛みを癒したりしています。

例えば、小学生の子どもが家に帰ってきて、親に「あのね」と外での体験をいろいろ話そうとすることは、子どもの「甘え」であり、子どもはそうやって親に甘えることで、安心したり、痛みを癒しているのです。

HSCが精神的に自立して、自分で安心したり、自分自身を癒したりできるようになるまでは、親に甘えることが必要です。

実際、幼いころから十分に親に甘えてきたHSCは、精神的な自立も早いといわれています。

逆に、甘えが不十分だったHSCは、形を変えて、いつまでも親の注意を引くようなことをやり続けます。

HSCの精神的な自立のためには、親はHSCの「甘えを受け入れる」ことが大切なのです。

甘えを受け入れる」とは、親が、HSCの欲求に応えて、必要な精神的「サポート」をすることです。

「甘えを受け入れる」ことと「甘やかす」ことは、全く異なります。

甘やかす」とは、親が必要以上に子どもの世話を焼いて、子どもが自分でするべき仕事親が代わりに「ヘルプ」することです。

甘やかされて育った子どもは、親からの安心感や精神的な自立を手に入れることなく、「自分の生活は誰かが面倒をみてくれる」という誤った認識を持つだけです。

HSCの精神的な自立のために

  • 甘えを受け入れる。HSCに必要な精神的「サポート」をする
  • 甘やかさない。HSCが自分でするべき仕事はHSCに任せ、親が代わりに「ヘルプ」しない

というハッキリとした枠組みを持って、HSCと接していきましょう。

例)「甘えを受け入れる」とは

「あのね」と外での体験を話してきたら

  • 話を聞く
  • 「今は忙しい」と話を聞かない

「抱っこして」と求めてきたら

  • 抱っこする
  • 「もう大きいんだから」と抱っこしない

自分が遊んだオモチャを「代わりに全部片付けて」と言ってきたら

  • 「それは君の仕事だよ。どうして代わりに片付けてほしいのかな?」と聞いて、どうサポートするか考える
  • 親が代わりにヘルプして片づける
HSCの自己肯定感を育むために
  • 甘えを受け入れる。甘やかさない。
  • 甘えを受け入れない。甘やかす。
ネコヤナギ

小学生の娘が「抱っこして!」と甘えてきたら、さすがに重たいのですが、甘えを受け入れて抱っこしてます。。

⑭成功体験を積むために「足場」を細かく調節する

成功体験を積むために「足場」を細かく調節することが大切です。

HSCは成功体験を積むことで、さらに努力を重ねて成長していける性質を持っています。

逆に、失敗体験には弱く、失敗した自分を「情けない」と感じ、大きなショックを受けてしまいがちです。

HSCが成功体験を積むためには、HSCのチャレンジに対して、親が適切にサポートすること、具体的には「足場」を細かく調節してあげることが大切です。

「足場」の細かい調節とは、例えば、手の届かない高さの棚のコップを取りたがっている子に「自分で取りなさい!」と突き放すのでもなく、「はい、どうぞ」と代わりに取って「ヘルプ」するのでもなく、その子が自分で取ることができるよう、ちょうどよい高さの「足場」を用意してあげるということです。

これは、親の過保護・過干渉には当たりません。

親が「足場」を細かく調節してあげて、長い時間をかけてでも、「できた!」を一つずつ重ねていけば、HSCは達成感を得ながら成長していけるのです。

例)親しくない人に挨拶するとき

親しくない人に挨拶をすることは、非HSCなら難なくできますが、HSCにとっては難しいことです。

次のように「足場」を細かく調節してみましょう。

  • 親が挨拶している様子を何度か見せる
  • 親と一緒に挨拶してみる
  • 小さな声で少しでも一緒に挨拶できたら「挨拶できてうれしいね!」と感情を分かち合う
HSCの自己肯定感を育むために
  • HSCが成功体験を積むために、親が「足場」を細かく調節してあげる
  • 親が適切にサポートしない
ネコヤナギ

完璧主義の傾向のあるHSCは、物事を取り組み始めた早い段階でつまずくと、「できない!」とすぐに諦めてしまうことがあります。
親は「足場」を細かく調節してあげて、少しずつできることから取り組ませましょう。
「できた!」を一つずつ重ねていけば、最後には成功体験になるはずです!

⑮失敗体験をネガティブではなく、「成長のチャンス」とポジティブに受け取る

失敗体験をネガティブではなく、「成長のチャンス」とポジティブに受け取ることが大切です。

HSCは失敗体験に弱く、失敗すると自分を「情けない」と感じ、大きなショックを受けてしまいがちです。

失敗体験が重なると、失敗することを恐れてしまい、なかなか前に踏み出せなくなります。

しかし、失敗しない人間などいません。誰でも必ず失敗します。

だからこそ、HSCが失敗したとき、親の対応・受け取り方が重要になるのです。

親が失敗をネガティブに受け取り、HSCの力を「ここまで」と決めつけてしまうと、HSCは失敗を恐れてしまい、前に踏み出せなくなります

逆に、親が失敗を「成長のチャンス」とポジティブに受け取り、「失敗は悪いことではない」「失敗を次に活かそう」「これからよくなれる」と言葉や態度で励ますと、HSCはたとえ大きなショックを受けていたとしても立ち直り、失敗に対する恐れを少しずつ和らげて、前に踏み出すことができます

親は、失敗体験をネガティブに受け取ることなく、「成長のチャンス」とポジティブに受け取りましょう

なお、これはHSC本人に対してだけでなく、親自身や他人が失敗したときも同様です。

共感力の高いHSCの前で、親が親自身や他人の失敗をネガティブに受け取る姿を見せると、HSCは「失敗したらダメなんだ」と、やはり失敗を恐れるようになってしまいます。

HSCの失敗に対する考え方は、失敗に対する親の対応・受け取り方で決まるのです。

例)テストで不合格だったとき
  1. 本人がショックを受けているようなら、「残念だったね」と共感する
  2. 本人の気持ちが落ち着いたら話し合う
  3. 「テストは、あなたができるできないを決めるものではなくて、何に取り組めばいいかを知るためにあるんだよ」と、学ぶチャンスであることを伝える
  4. 「どこでつまずいたのか?」を明らかにし、つまずきを解消できたら「テストのおかげで、分かるようになってよかったね」と成長を認める
  5. 「次は、どうするのがいいかな?」と質問して、本人なりの対策を考えてもらう

一つひとつの失敗が次のステップに活かされる体験を重ねることで、失敗に対する恐れを少しずつ和らげていくことができます。

例)他人との競争で負けたとき

HSCは、他人と比較されると余計なプレッシャーがかかり、うまくいかなかったり楽しめなかったりします。

「他人との競争に勝つことよりも、自分のゴールを目指せばいい、楽しむことのほうがもっと大切」であることを伝えましょう。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 親が失敗を「成長のチャンス」とポジティブに受け取る
  • 親が失敗をネガティブに受け取る
ネコヤナギ

失敗したとき、誰よりもショックを受けているのは本人なので、親がその失敗をポジティブに受け取ってあげて「失敗は悪いことじゃないよ。成長のチャンスだよ」と伝え、HSCのショックを少しずつ和らげてあげることが大切です。

⑯少し背中を押してみる

少し背中を押してみることが大切です。

HSCは必要以上に怖がったり、深刻に考えすぎていたりすることが少なくありません。

そんなとき、親から見て「これは絶対に大丈夫!」と思ったら大丈夫!あなたならできる(あくまで控えめに)」と少し背中を押してみましょう

HSCが勇気を振り絞ってチャレンジし、うまくいけば自信につながります。

「初めは怖くて嫌だったけど、やってみたら案外悪くないかも。楽しいかも」という体験を重ねていけば、HSC自らが引いた「苦手」という境界線が少しずつ押し広がり、取り組めることが増えていきます

「タイミング・ペースを尊重して見守る」ことと「少し背中を押してみる」ことは、一見矛盾するように思いますが、実は両方がHSCの成長にとって大切なことなのです。

なお、チャレンジする際は「どうしても嫌だったらやめてもいいよ」などと逃げ道をつくってあげれば、HSCは「いざとなったら逃げ道もある」と思い、安心してチャレンジできるでしょう。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 親から見て「これは絶対に大丈夫!」と思ったときは、少し背中を押してみる
  • チャレンジする際は逃げ道をつくってあげる
  • 子どもに無理強いしてやらせる
ネコヤナギ

わが子が必要以上に怖がっているなと思ったときは、親から「パパと一緒だったらする?」と聞くと、『する!』と返事が返ってきて、安心してチャレンジして『やってみたら楽しい!』となることが多いです。

⑰チャレンジを全力で応援し、邪魔しない

チャレンジを全力で応援し、邪魔しないことが大切です。

HSCは、自分の好きなことや興味のあることに対して努力することが大得意です。

親は「HSCが集中して活動をしている瞬間」の大切さを理解し、話しかけたり中断させたりして、邪魔をしてはいけません

一方で注意したいことは、HSCが自分で「やりたい」と言って始めた習い事を「やっぱり嫌だ」と言ってきたとき、親は「頑張って続けなさい」と無理強いせず、すぐにやめることを許可することです。

HSCは我慢強いです。

そのHSCが「やっぱり嫌だ」と言う時点で、すでに我慢の限界に近いことがほとんどだからです。

無理に続けさせるのではなく「今まで頑張ったね」と認めて、別の好きなことや興味のあることが見つかるようにサポートしましょう。

HSCの自己肯定感を育むために
  • チャレンジを全力で応援し、邪魔しない
  • チャレンジを親が邪魔する
ネコヤナギ

HSCの自分の好きなことに対する、地道な努力には本当に驚かされます。
親は全力で応援して、サポートしましょう!

⑱自己表現に慣れるため、日頃から自分で決めさせる

自己表現に慣れるため、日頃から自分で決めさせることが大切です。

HSCは、「NO」と断ったり「これが欲しい」と要求したりするなどの自己表現を控えてしまう傾向があります。

自分が口にしたことで、「相手が嫌な気持ちになるのでは」と気を遣ってしまうからです。

しかし生きていく上では、自分の思いや好き嫌いを自ら発信することは必要不可欠です。

親は、HSCが自己表現に慣れていくためのサポートをしましょう。

HSCが自己表現に慣れるための具体的な方法としては、身に付ける服や外食で食べたいメニューなどを決める際、親がHSCに対して「どれがいい?」「どっちが好き?」などと選択肢を与え、日頃から自分で決めさせることがオススメです。

親は、HSCが自分で選択できる機会が増えるよう、工夫したり環境を整えたりしましょう。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 自己表現に慣れるため、選択肢を与え、日頃から自分で決めさせる
  • 選択肢を与えず、親が決めてしまう
ネコヤナギ

わが家の場合、身に付ける服は必ず子どもが決めています。

⑲人間関係のイザコザが起こったら、HSCと相手が共にハッピーになる着地点を探す

人間関係のイザコザが起こったら、HSCと相手が共にハッピーになる着地点を探すことが大切です。

人間関係のイザコザが起こったら、HSCに対して「自分と相手が共にハッピーになるにはどうしたらいいかな?」と優しく問いかけ、丁寧に話し合いましょう

自分の思いと感情を理解しつつ、相手の思いと感情を理解することで、自分と相手が共にハッピーになる着地点を探すのです。

例)自分と相手が共にハッピーになる着地点を探す
  • 相手に合わせてばかりの子には、自分の思いや感情を理解し、相手に伝える勇気を持つように促す
  • 自分の思いばかりを通そうとする子には、相手の思いや感情を理解することを促す
  • 誰とでも仲良くする必要はなく、自分を大切にしてくれない人とは距離をおいてよいこと、たくさん友達がいることより、一人でも大切に思い合える友達がいるほうがよいことなどを伝える
  • 我慢しているならば「我慢しなくていい」と伝える
  • いじめられているのに「相手は悪くない。自分が悪い」などと自分を悪く言う場合は、「いや、それは相手が悪い」「相手のことを大事にできるのはいいけど、その前にまずは自分を大事にしなくてはいけない」と伝える
  • きょうだいがいる場合、ケンカは他者との関わり方を学ぶいい機会になる。暴力を振るわないよう注意しながら、「お互いにハッピーになる方法を探してね」と伝え、介入しない

親は、HSCが人間関係で疲れてしまわないよう、HSC自身と相手が共にハッピーになる着地点を探すために話し合うなど、適切にサポートしましょう。

親がサポートしてもなお、HSCが人間関係などに苦しさを感じているとしたら、多くの場合、変える必要があるのはHSCではなく、その取り巻く環境です。

敏感なHSCが苦しいと感じる環境は、きっと誰にとっても苦しいと感じる環境だからです。

HSCを苦しみから解放するために、その取り巻く環境を変えることは親の務めといえます。

HSCの自己肯定感を育むために
  • 人間関係のイザコザが起こったら、HSCと相手が共にハッピーになる着地点を探す
  • 人間関係のイザコザに対して、親がサポートをしない
ネコヤナギ

きょうだいゲンカが起こったときは、親が介入しないほうがスムーズに解決します。
見守っていると、子ども同士で話し合って、お互いにハッピーになる着地点を探しているのがよく分かります。

⑳他人の言葉や態度を「受け取る/受け取らない」は選択できると伝える

他人の言葉や態度を「受け取る/受け取らない」は選択できると伝えることが大切です。

HSCは、他人の言葉や態度から強い刺激を受けて、深く傷つくことがあります。

例えば、学校でいじわるな子に「バーカ!」と言われた場合、その言葉を真正面から受け取れば、HSCは大きなダメージを受けてしまいます。

しかしHSC自身が、そのいじわるな言葉を「受け取らない」と自分で選択できれば、「私はバカではない!」と言い返せたり、スルー(無視する、気にしない)したりできるはずです。

他人の言葉や態度は、自分がそれに同意しないのであれば「受け取らない」でいいのです。

刺激を受けやすいHSCだからこそ、親はHSCに対して、「他人の言葉や態度を『受け取る/受け取らない』は自分で選択できる」と、繰り返し伝えていきましょう。

例)「受け取る/受け取らない」は自分で選択できると伝える

子)「学校で友達にバカって言われたよ……」(深く傷ついた様子)

親)「それは悲しいね」(共感)

親)「それで、あなたは自分のことをバカだと思うの?」(問いかけ)

子)「バカじゃないよ」(HSC自身が確認する)

親)「それならもう悲しまなくていいよ。あなたは『私はバカじゃない』と思うんだから、友達の言葉を受け取る必要はないんだよ」

親)「他人の言葉を受け取るか受け取らないかは、あなたが自分で選択できるからね」

HSCの自己肯定感を育むために
  • 他人の言葉や態度を「受け取る/受け取らない」は選択できると伝える
  • HSCが他人の言葉や態度を「受け取る」ばかりになり、深く傷ついてしまう
ネコヤナギ

HSCが、他人の言葉や態度を「受け取らない」を選択できれば、無用なストレスを避けながら毎日を生きていけるはずです!


HSCの自己肯定感を育むための【原則3】サポートする」をご説明しました。

以上が「HSCの自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと」です。

この「HSCの自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと」を押さえた上で、HSCと日々しっかり向き合い、その子の性格や性質に合わせて、親が柔軟に対応していけば、きっとHSCは一生幸せに生きることができます

私自身はそう信じて、今後も子育てしていきます。

子育てには、絶対的な正解はありません。

毎日が試行錯誤の連続です。

試行錯誤しながら、楽しみながら、明るい未来をイメージしながらその子に合った育て方を探求していきましょう

子育ては「親育て」。子育てを通して、親は自分を見つめ直す

子育ては「親育て」子育てを通して、親は自分を見つめ直すことができます。

過去にさかのぼって、人生をやり直すことはできません。

しかし、親は子育てを通して、自分の過去の心の傷や痛みに向き合い、自己主張できなかった自分や、他人に言い返せなかった自分の弱さを認め、許し、受け入れる機会が与えられているといえます。

HSCを愛することを通して、親は自分を愛する気持ちも育てることができる

HSCの敏感さや弱さを受け入れることを通して、親は自分の敏感さや弱さを受け入れ、敏感さのポジティブな面に目を向けることができる

HSCの自己肯定感を育むプロセスがそのまま、親が自分の自己肯定感を育むプロセスなのです。

まとめ:親が安心感を与え、自分軸を育み、サポートすることが大切

この記事では、

この記事は、このような人に向けて書いています
  • HSCの育て方に難しさを感じている
  • HSCとうまく向き合えているか不安がある、接し方に迷いがある
  • HSCが幸せに生きるための育て方を知りたい
  • HSCに「自己肯定感」高く生きてほしいと願っている

に向けて、「HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと」をご紹介しました。

HSCが幸せに生きるためには、親がHSCを理解すること、

そして何より

  • 【原則1】HSCに安心感を与える
  • 【原則2】HSCの自分軸を育む(コントロールしない)
  • 【原則3】HSCをサポートする

ことで、HSCの「自己肯定感」を育むことが最も大切です。

HSC(敏感な子)の育て方|自己肯定感を育むための3原則/20の大切なこと

この記事を読んだ方が、

  • HSCとうまく向き合うことができるようになったり、
  • HSCの自己肯定感を育むとともに、子育てを通して親自身の自己肯定感も高めることができたり、
  • HSCが幸せに生きられて、家族みんなが幸せになれたり、

するなどのお役に立てていれば、本当にうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

HSCの子育て本の【オススメ5選】は次の記事にもまとめていますので、ぜひ読んでくださいね!

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